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社員教育の真髄は心を高めること。一人ひとりの成長が事業を伸ばす。

ペンタテクノサービス株式会社
取締役 高橋 正志

更新日:2018年3月22日

群馬県出身。中学2年生の頃にダムの建設現場を見て、建設の世界に入ることを決意。大学を卒業後、ペンタテクノサービス(以下、PTS)の親会社である五洋建設株式会社に入社。2010年、PTSに転籍し代表取締役社長に就任。2017年に代表取締役社長を後進に譲り、現在に至る。
※所属・役職等は取材時点のものとなります。

人生を変えるヒントに出会い、自己研鑽に目覚める

五洋建設に入社した当初は、日本全国、海外は中近東を中心に現場を飛び回る日々でしたが、特に目標もなく成り行きで仕事を続けていました。そんなとき、2歳年上の先輩から「お前はこのままではダメになる」と言われました。人生には数回、人生を変えるヒントに出会う瞬間があると言われていますが、先輩の言葉はまさにその一つだったと思います。そこから一念発起し、国家資格へのチャレンジをはじめました。毎年一つずつ目標とする資格を定めて勉強し実際に合格しました。でもそれだけでは誰も気づいてくれない。せっかくなら本社にアピールしてやろうと、毎回合格証書を本社へ送りつけることを始めました(笑)。「現場でもうやることはない。本社に取り立ててくれ。」ということを示したかったのです。合格証書を送り続けて7年、ようやく目に留めてもらうことができ、本社に登用されました。

本社に行ってからは技術開発に従事していましたが、34歳の時、メカトロチームの結成を直訴してチームを作らせてもらいました。リーダーとしてチームを率いましたが、このとき初めて上司がいない大変さを身をもって知りました。仕事を与えてくれる人、仕事を教えてくれる人、自分の将来を考えてくれる人がいないのです。この経験が、私の上司としての在り方、部下への接し方、さらには社員教育の重要性に気づくきっかけとなったと思っています。

「自由」と「放任」は違う。共通の意識がなければ会社は崩壊する。

大学新卒で入社してから59歳まで五洋建設で働いていましたが、グループ会社であるPTSを立て直したいという気持ちから、志願して転籍しました。PTSはもともと五洋建設技術研究所の実験部隊が独立した組織で、土木工事に関わる実験・計測や施工現場での計測・調査、五洋建設グループ全体のIT・インフラの管理といった事業を行っています。当時から「社員重視」を掲げ「自由」を売りにする社風でしたが、むしろ「放任」に近い状態で、経営を続けていました。社長に就任し、立て直しのためには、まず顧客の利益を生み出すために働くという意識を社員に植え付け、ベクトルを合わせることが重要だと考えました。そうした土壌ができて初めて「社員の意見を尊重した経営」が成り立つと考えたからです。一方で福利厚生の見直しや業務改善、働き方改善を進め、時短勤務やフレックス勤務、ノー残業デイなどの制度も導入しました。現在では、売上・利益を伸ばしながら、残業時間はピーク時の40%減となっています。生み出された時間を社員には有効に使ってもらい、自己研鑽に励んでほしいと思っています。

専門知識の勉強だけでなく、心の勉強が社員を強くする

PTSでは資格取得に報奨金を出して、社員の学習をサポートしています。勉強をする大切さは、知識の習得だけではなく、成功体験を通して自分に自信がつくことにあります。また、専門知識の勉強だけでなく「心の勉強」にも力を入れてきました。「言いたいことを言える組織」「楽しく生きる」「しなやかに生きる」などのテーマで毎月講話を実施しています。いろいろな経験をする中で最終的に拠り所になるのは自分の心です。社員には心を大切にしてほしいと思っています。体は休めば回復しますが、心は違いますからね。このような活動を続けてきたことで、社員の考え方や会社の風土が変化してきたと感じています。現在では社員が、自分の失敗体験をオープンに話せるようになり、それが顧客満足度向上へ向けた活動に繋がっています。これまでも会社として出来る限りの教育支援やサポートをしてきたつもりですが、会社としてできることはあくまで環境づくり、機会づくり。それをどう活かすかは個人次第です。これからも社員一人ひとりが自分の成長のために、努力を続けていってほしいと願っています。

成長した社員の力をベースに事業成長を成し遂げていく

PTSは創業期を過ぎて、これから成長期に入っていきます。社長に就任してからの7年間をかけて、就業規則やルールの制定、人としてどうあるべきかという教育など会社の土台作りはできたと思っています。そしてバトンタッチした現在の社長はアイデアマン。これからは、社長のアイデアを成長した社員みんなで形にしていってほしい。社員一人ひとりがそれを成し遂げられるレベルになったと信じています。私自身としては、代表取締役社長は退きましたが、今後も社員教育には関わっていきます。五洋グループの若手に国家資格取得のための専門的な指導をしたり、ストレスを抱える社員に話をしてあげたり。自分の経験や知識、考えを若い世代に伝えることが今の私の生きがいですね。

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