転職成功者インタビュー

公益財団法人 競走馬理化学研究所
井口祐平さん(仮名・研究) 33歳

妻の安心が、幸せへの第一歩。予期せぬトラブルも乗り越えて転職に成功。

地方へのU・Iターン転職は、自分のためだけにあるのではない。井口祐平さん(仮名)は、妻の地元である北関東へIターン転職をしたリージョナルヒーローだ。

大学院を卒業後、関西で新薬の開発に携わっていた井口さん。同じ職場で知り合った女性と結婚したが、奥さまは地元で1人暮らしの母親のことが心配だった。その想いを知った井口さんは、北関東での転職先を探し始めた。

ところが、専門性の高い研究職はなかなか求人がない。PCに向き合い、インターネットで求人情報を探し続けること、約2年。リージョナルキャリア栃木からの紹介でようやく出会えたのが、今の職場だった。

最終面接前に骨折し、一度は面接の機会を失いかけた。しかし、さまざまな困難を乗り越えて、希望通りの転職をかなえた井口さんにその道のりを語っていただいた。

(※本記事の内容は、2015年2月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで121日間

転職前

業種
新薬開発
職種
研究職
業務内容
前臨床試験研究受託、分析受託

転職後

業種
検査・研究機関
職種
化学分析
業務内容
検査試料の麻薬・覚せい剤、興奮剤、鎮静剤、筋肉増強剤、利尿剤等の理化学検査

最終面接3日前に骨折。一度はあきらめたが、幸運にも再受験のチャンスが。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

自分が現在行っているのは、競走馬の薬物検査が主な業務です。競走馬の尿や血液を検査材料として、競馬法により使用することが禁止されている薬物の理化学検査をしています。競馬の不正を防ぐための仕事ですね。

入社前のご経歴を教えてください。

大学院を卒業後、CRO(受託臨床試験実施機関)に就職し、関西にある研究所で約8年半、承認審査前の医薬品の開発業務に携わっていました。具体的には、前臨床試験の研究業務や、臨床試験および非臨床試験の分析業務などです。役職は特にありませんでしたが、後半は後輩の育成係を任されていました。

転職のきっかけは?

妻の実家が北関東にあり、母親が1人で住んでいました。以前から家庭の事情は知っていたので、結婚するときに北関東へ転居する覚悟は決めていました。

転職活動はどのように進めましたか?

まず、大手の転職サイトを使って転職活動を始めました。希望職種は、薬品か環境系の研究職。分析業務がやりたいと思っていました。希望勤務地は、妻の実家の近辺。しかし、なかなか良い求人が出ておらず、2年間くらいはただ情報を探しているだけの状態でした。専門性が高い職種ということもあり、募集枠が空いていないのです。

義母もまだ元気でしたし、焦ってはいませんでしたが、当分時間がかかりそうだなと思っていました。そこへ、リージョナルキャリア栃木からメールをもらいました。最初はメールに気づかず、放置してしまっていました。気づいたときには、メールをもらってから3週間が過ぎており、「もう間に合わないかな」とドキドキしながら連絡したことを覚えています。そこで紹介されたのが、今の研究所です。

今の会社に決めたポイントは?

使っている機器も一緒で、前職の経験をほぼそのまま活かせることが一番大きいです。研究所がある場所も、妻の実家から高速道路を使って1時間くらい。選考前に、研究所を見学させてもらったのですが、そのときの雰囲気も良かった。実際の雰囲気を事前に感じられたのは大きかったです。ただ、入社が決まるまでが大変だったのです。

トラブルが起きたのですか?

一次面接を通過し、最終面接を3日後に控えた時期に、趣味のフットサルをしていて、足を骨折してしまいました。最終面接を受けられなくなってしまいましたが、コンサルタントから「後日、最終面接を行う」という連絡が来た時は驚きました。最終面接当日は車イスを使って移動し、無事に内定をもらうことができました。コンサルタントには、本当にご心配をおかけしました。

自分の時間が増え、勉強もできる。この転職は、自分のためにもなった。

転職していかがでしたか?

自分が扱うのは血液や尿なので、前職と仕事の内容自体はあまり変わりませんね。上司や先輩も丁寧に教えてくれるので、順調ですよ。職場は40代、50代の方が圧倒的に多い、20名程度の部署なのですが、30代で機器をちゃんと扱える人を探していたようです。

働き始めてまだ2ヶ月程度なので、やりがいを見つけられるのはこれからだと思いますが、責任の大きさを肌で感じながら頑張っています。

生活面での変化はいかがですか?

現在はまだ研修中のため、18時頃には帰宅できます。以前とは違い、一定の時間に夕飯を食べられるのがうれしいです。以前は共働きで、二人とも帰宅が遅かったのですが、今は妻が手料理をふるまってくれます。とてもおいしいです。

それに、今では食事をした後に自分の時間を持てるようにもなりました。写真が趣味なので、パソコンを使っていろいろと加工してみたり、自己啓発もかねて、競馬や新しい機械について勉強したり。今後は英語も勉強したいですね。

困っていることや課題はありますか?

強いて挙げるなら、寒いことです。宇都宮に住んでいるのですが、本当に底冷えがすごいです。私は九州出身なので、この寒さにはまだ慣れませんね。いちばん寒い時期に引っ越してきましたし、もう少しの辛抱かな、と思っています。

収入面では、妻が仕事を辞めたので世帯収入は減りましたが、やりくりすれば大丈夫です。ただ、妻も働きたがっているので、リージョナルキャリア栃木で転職先を探してもらっているところです。

転職してよかったと思うことは?

妻の実家の近くにいられることが大きいですね。以前は年に1度帰れるかどうかでしたが、今は頻繁に帰っています。何かあるとすぐに行ける距離になったので、妻も安心したようです。義母もすごく喜んでいますよ。

私の仕事面でも、東京に近くなったことがありがたいです。東京でしか実施しないセミナーもありますし。それに、なんといっても自分のやりたい仕事ができていることにも感謝しています。

いろいろなことが起こり、周りの方に心配もかけましたが、不思議なご縁で今の研究所に入れたので、本当によかったと思っています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

自分がやりたいことには、こだわったほうがいいと思います。興味ややりがいを見つけられないと、続けていくのが辛くなると思うから。面接はとても緊張しました。特に、一次面接のときはうまく喋れませんでした。

「うちでなければならない理由は?」と聞かれても、しっかり答えられなかった。というのも、そこは私自身が不安に思っていた部分だったからです。その後、この質問にちゃんと答えられるように考えたおかげで、最終面接ではうまくカバーできたと思っています。

リージョナルキャリア栃木のコンサルタントの存在も大きかったですね。初めての転職活動で、何をどうしたらいいのかもわからないなかで、非常に親身にアドバイスをしてもらいました。そもそも、今の研究所を紹介してもらえてなかったら、今の自分はないわけですし、とても感謝しています。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
佐藤 照昭

関西で医薬品分析法の開発及び濃度測定を行っていた井口さん。井口さんの転職にとって重要なことは、奥さまのご実家がある北関東に転居し、これまでの経験が活かせる仕事に就くことでした。

そんな井口さんが弊社の無料転職支援サービスにご登録いただいたのは、2014年5月。前職では前臨床試験研究受託、分析受託の研究者として従事し、臨床試験及び非臨床試験の分析業務を担当していました。これらの経験を活かせる職場として競走馬理化学研究所を提案させていただき、選考がスタート。

最終選考の数日前に骨折をしてしまうというアクシデントはありましたが、基本的に選考は順調に進み、また奥さまの支えもあり、無事に内定、入社という結果になりました。

先日職場にお邪魔した際に、上司や先輩の方々と親しく話しているのを見ることができたのは、転職を支援させていただいた者として嬉しい瞬間でした。 井口さんの末永いご活躍をお祈りしております。

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