採用が経営を変えた瞬間

企業TOPインタビュー

栃木を代表する企業の経営TOPに、事業ビジョンと期待する人材像についてお聞きしました。

究極の目標は、全国の「地方」を良くすること。

藤和那須リゾート株式会社
代表取締役社長 雪本 智史

更新日:2022年4月20日

1979年生まれ。2003年に新卒で日本駐車場開発株式会社に入社。2007年に日本スキー場開発株式会社に入社し、その後株式会社北志賀竜王、株式会社鹿島槍の代表取締役を経て、2016年に日本テーマパーク開発株式会社および藤和那須リゾート株式会社の代表取締役に就任。
※所属・役職等は取材時点のものとなります。

東京から絶好のアクセスを誇る那須で、総合リゾート事業を展開

栃木県那須郡那須町は、ゴルフやハイキング、スキー、温泉が楽しめるほか、皇族方のご静養の場としても知られ、現在では通年型のリゾートとして人気を博しています。東京から新幹線で1時間程度とアクセスも良好です。そんな那須で総合リゾート事業を営むのが、藤和那須リゾートです。

創業は1964年。約60年の歴史の中で、北関東最大級を誇るアミューズメント施設「那須ハイランドパーク」、スポーツや天然温泉も楽しめるリゾートホテル「TOWAピュアコテージ」、快適なリゾートライフを満喫できる別荘地「那須ハイランド」の3つを柱に事業を営んできました。

もともとは別荘地の開拓から事業をスタートさせ、別荘を利用する方々に対する付加価値の提供のためにアミューズメント施設を開園した、という流れです。2016年に東証一部上場・日本駐車場開発のグループとなってからは、積み上げてきた実績にグループのノウハウも取り入れることでさらに発展してきました。2017年には、敷地面積2万5000㎡に及ぶ日本最大級の空中アスレチック「NOZARU(ノザル)」を開業しました。

関わる人すべてがハッピーになれるビジネスを目指す

観光関連事業の課題は、繁忙期にお客様が偏ることです。週末や長期休みには多くのお客様に来ていただき、アミューズメント施設やホテルの稼働率が高くなる一方、平日はどうしても空きが出ます。またコロナ禍により、そもそもレジャー施設の営業ができない日も増えてしまいました。そこで舵を切ったのが、別荘の「バケーションレンタル」という事業です。

別荘オーナーの方々は、所有する別荘をいつも利用しているわけではありません。そこで別荘を利用していない時期に一般の方々に貸し出すことを「バケーションレンタル」と呼んでいます。レンタルすることで、オーナーの方々には貸出収益が見込めます。一般の人々に向けた広告や予約手続き、利用後の清掃・備品管理はすべて藤和那須リゾートのスタッフが担当するので、手間もかかりません。また日常的に換気や清掃を行うため、建物の老朽化を抑え、資産価値を長く保てるなど、数々のメリットがあるのです。

コロナ禍で密を避けるようになったり、テレワークが普及したりしたことで、多くの人が生活や働き方を見直すようになりました。豊かな自然の中で過ごすほうが気分も発想もリフレッシュできる、と考える人が増えています。「バケーションレンタル」は、そうした人々の期待に応えることができます。那須ハイランドの敷地内には現在約1,500棟の建物がありますが、まだまだ新築別荘が建つ余地がありますし、中古別荘もリノベーションによってさらに活用が見込めます。別荘のもたらす収益に関心を示す新たな顧客層の掘り起こしが期待できるのです。また、繁閑による労働時間の差が小さくなると、当社の社員にとっても安定的に働きやすくなります。

日本駐車場開発グループは「ハッピートライアングル」を理念に掲げています。これは、「オーナー」「ユーザー」「地域社会」の3者が正三角形を描き、関わる人すべてがハッピーになれるビジネスを目指す、という意味で、私も経営において重視する理念です。「バケーションレンタル」は、この「ハッピートライアングル」を実現できる事業であると言えます。別荘オーナーや別荘を利用するユーザーはもちろん、那須に多くの人が来ることで、地域社会にも同時にハッピーが提供できるのですから。

「関係人口」を増やすことが、地域全体を活性化していく

私たちは事業を通して、那須に集まる人を増やしたいと思っています。お客様として来る人もいるでしょうし、雇用を求めて来る人もいるでしょう。そして、人と人との触れ合いが多くなることにチャンスを見出し、新たなビジネスを志向する人もやって来ます。人が増えれば、様々な物やサービスを売る店舗が潤います。やがて地域全体が活性化していきます。私はこの「関係人口」を増やすことが、事業の上で大事だと考えています。地域全体が良くなることが、私たちの存在意義だと思っています。

「バケーションレンタル」事業は、関係人口を増やす牽引役としてのポテンシャルを秘めていますが、それだけでは足りません。新たな種をどんどんまいていきます。日本駐車場開発は上場こそしていますが、私たち自身はベンチャーだと思っています。那須の豊かな自然や広い土地というアドバンテージを活かして、アイデアと実行力で勝負していくつもりです。

2021年10月に当社が発起人の1社となって始動した「一般社団法人ナスコンバレー協議会」もその一環です。これは、那須が誇る東京ドーム170個分の広大なフィールドを活用し、国内外の企業や学術機関、研究機関、個人の保有する先進技術の実証実験、社会実装の実施を目的とした団体です。最初は、新しい働き方に関心を持つ経営者や社員の方々にワーケーションの場として那須を活用していただく「ナスコンバレー構想」から始まりました。現在取り組んでいるのは、自動運転車やドローンなどの次世代技術の実装実験を行う場としての活用です。

日帰りで那須に来るつもりだった人が、面白いところがたくさんあるので宿泊に切り替えるとか、たまたま来てみて良い所だったので那須でのテレワークを考え始めるとか、自動運転車の実証実験に参加した人が、別荘の収益化に興味を持って別荘を購入するとか…… 融合化されたサービスを通じて、那須に魅力を感じる人を増やすのが、ナスコンバレーの担うミッションです。いずれにしろ、当社単独でできることではありません。参画企業が互いのリソースを持ち寄り、協働・連携しながら形にしていきます。将来は、さらに多くの企業に賛同してもらい、ナスコンバレーを進化させたいですね。

那須のために力を尽くす、という思いを持った人に出会いたい

新たな動きを加速させるのに重要なのは「人」です。「那須が好き」「地域を良くしたい」という想いを持ち、固定観念にとらわれない発想で行動する人が、那須の活性化には不可欠です。重視したいのは、地域を良くすることで自分も一緒に成長していきたいという意欲ですね。前職がどうか……などにはこだわりません。むしろ、いろんなバックグラウンドを持つ人が集まってくれたほうが、アイデアも多彩になっていいのではないでしょうか。

私はホールディングス機能である日本テーマパーク開発の社長も兼任していますが、出張時を除いて那須に常駐しています。他の役員も同様です。時間があれば現場に出て、スタッフと一緒に動くことを心がけています。現場に身を置くと、お客様の要望やビジネス環境の些細な変化に敏感になります。当社がスピード感を持って経営判断できるのは、現場を大事にしているからです。また現場にいると、スタッフとのコミュニケーション量が増えます。スタッフのちょっとした気づきがヒントになることも多くなるわけです。スタッフは経営陣以上に、那須のことをよく知っています。彼らの知恵を活かさないのは、もったいないですよね。また経営方針について話す機会も多くなるので、スタッフが納得して動いてくれるようになるのも大きいと思います。

私たちの究極の目標は、「地方を良くすること」です。観光・別荘などの事業を発展させ、生産性を上げ、雇用を生み、人を呼び込み、地域が潤う。このモデルを那須で実現することができれば、全国の地方で展開することができます。そのためにできることはまだまだたくさんあります。型にはまった仕事ではないので、楽ではありません。しかし、汗をかいた分の充実感があるのは間違いありません。

那須地域の活性化に向けて、私たちは遊園地、宿泊施設、別荘と様々な切り口で取り組めるため、「いろんなアイデアで地方活性化に力を尽くしたい」という思いを持った人に出会いたいですね。ぜひ一度、那須に来てみてください。想像した以上に資源や可能性を秘めた地域であることに気が付くはずです。

「那須ハイ」といえば栃木県民にとっては馴染みの深いスポットで、「小さい頃に家族みんなで遊びに行ったな」、「大学時代にドライブがてら友達と行ったな」、と懐かしくなりますが、今や那須はそれだけではありません。栃木県にいると、藤和那須リゾートが手がける新規事業やイベント、「ナスコンバレー」のような取り組みに関する情報が、毎日のように入ってきます。リゾートにとどまらない事業展開の裏側には、雪本社長をはじめとする役員のスピード感のある経営判断、社員のみなさんのエネルギー、那須への愛情がありました。今後の藤和那須リゾートの取り組み、那須エリアの進化、これらをモデルとした全国における地方創生に注目せざるを得ません。

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