株式会社ユーユーワールド
関根博人さん(物流営業) 27歳
物流業界の知識を活かし、「いつか栃木に戻りたい」という想いを実現。
東京本社の大手OA機器メーカー関連の物流会社で勤務していた関根さん。就職した当初から「いずれは地元の栃木に戻りたい」という想いを抱いていた。そして、前職の会社から出向の打診があったタイミングを機に、Uターンを決断する。
栃木の情報を求めてリージョナルキャリア栃木に巡り会い、ちょうど東京で開催されたU・Iターン者向けの相談会に参加することに。コンサルタントのアドバイスを受けながら、その中の1社であるユーユーワールドへの入社を決意した。
入社から3年半が経ち、現在は同社初の物流部門専任営業として力を発揮している関根さん。その転職活動について詳しく伺った。
※本記事の内容は、2023年10月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで180日間
転職前
- 業種
- 大手OA機器メーカーの物流会社
- 職種
- 物流関連業務
- 業務内容
- 倉庫管理業務や包装資材設計、トラック運行管理
転職後
- 業種
- 通関業や保税蔵置場の運営ほか各種物流サービス
- 職種
- 物流営業
- 業務内容
- クライアントの輸出入サポートや荷物の保管、物流体制の構築などの提案
営業未経験だったが、ポテンシャルを評価してくれた。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
栃木に本社を構える物流会社の株式会社ユーユーワールドで、営業を担当しています。お客さまの荷物の輸出入サポートや、荷物の保管、あるいは別の物流会社と協力した物流体制の構築などを提案する仕事です。
担当企業はメーカーから商社、小売まで40~50社程度。半数は自分で新規開拓したお客さまです。
当社は「海なし県に港を創る」をビジョンとしています。本来、輸出入貨物は港近くの物流会社がシェアを持っているのですが、当社の創業者は外国貨物を保管できる保税蔵置場を栃木で初めて設置しました。
内陸の物流会社で輸出入を扱える会社は少ないため、当社の大きな強みになっています。加えて、当社は人材派遣や介護、オリジナル食品開発などの事業も行っています。
これらのチャネルで当社を知ってもらえたお客さまに物流をご利用いただくというケースもあります。栃木県の物流業者は横のつながりが深く、お互いに助け合っています。お客さまを紹介していただくことも多々あり、新規のお客さまとの付き合いが増えていきました。
入社前のご経歴を教えてください。
埼玉の大学を卒業後、東京本社の大手OA機器メーカー関連の物流会社に就職しました。私は小さい頃から野球をやっており、就職先も野球部のある会社を選びました。平日は通常勤務を行い、土日に野球の練習をするというスケジュールで、結構大変でした。
1年間、倉庫の現場を担当した後、包装資材を設計する部署に配属されました。2年後、今度はトラック運行管理の部署へ異動。そこでも2年を過ごしました。
転職のきっかけは?
二度の異動後、出向の打診があったのですが、ちょうどその頃、子どもが生まれたばかりでした。打診を受けてしまうと、通勤に片道2時間かかりそうな場所での勤務となり、ほとんど子育てができなくなってしまいます。
加えて、勤務していた会社が買収されることになったのです。買収先は大手ではありましたが、このまま会社にいて将来は大丈夫だろうか、と不安を覚えるようにもなりました。
また、社会人となってからも、いつかは栃木に帰ろうと思っていました。いつとは決めていなかったのですが、いろいろと状況の変わったこのタイミングがチャンスかもしれないと感じ、転職を決めました。
転職活動はどのように進めましたか?
未経験でしたが、「栃木で物流の営業はできないか」と、大手転職サイトに登録していろいろ検索しました。しかし、栃木の転職情報はあまりありませんでした。困惑しながらもさらに探していたところ、リージョナルキャリア栃木(運営:リージョンズ株式会社)に出会いました。
そこには、栃木に特化した転職情報がたくさんありました。栃木への転職ならリージョナルキャリア栃木が信頼できそうだと感じました。そして、ちょうど「栃木へのU・Iターン転職を考える人のための個別相談会」を東京で開催するというので、出席することにしました。
そこでコンサルタントに会い、胸中を話したところ、すぐにいろんな企業の情報を提供してくれたのです。その中の1社がユーユーワールドでした。
今の会社に決めたポイントは?
面接に臨むと、ユーユーワールドの会長(当時は社長)自ら、事業をどんなふうに伸ばしていきたいかを語ってくれ、「だからぜひあなたの力がほしい」と誘ってくれました。私は物流業界に籍を置いていたとはいえ、営業の経験はありません。「それでもいいですか」と尋ねたところ、全然構わないとのことでした。
同じ時期に別の会社からの誘いも受けていたのですが、ユーユーワールドの会長から熱心な誘いを受け、「ぜひこの人と一緒に働きたい」という気持ちになりました。
物流だけでなく、人材派遣や介護、オリジナル食品開発もやっているユーユーワールドでなら、新しいことにチャレンジできそう、という点にも惹かれました。
懐かしい地元と、日々の新たな出会い。
転職していかがですか?
営業は初めての体験でしたが、日々新しい出会いがあるのが楽しいですね。人とのつながりが生まれるたびに、挑戦できることも増えていく。そんな仕事ができて、ありがたいと思います。
実は、当社で物流の営業専任スタッフは、私が初めてだったんです。最初は既存のお客さまのところに出向き、お客さまにノウハウを教えてもらうことから始めました。
すると、「ユーユーワールドに営業専任スタッフが入ったらしい」という話が近隣に広がり、お客さまの間で話題になって、「相談したいので一度来てほしい」と言っていただけるようになりました。
転職して良かったと思うことは?
コロナ禍となって1年半ほど、「陽性で自宅療養する患者さんに1週間分の食材を届ける」という事業を担当しました。食品の梱包から配送まで、物流に関わる業務を当社で一括して行ったのです。
これに関しては、栃木を超えて茨城、埼玉、千葉、神奈川までお届けしました。本当に貴重な体験でしたし、少しは社会の役に立てたかなと感じています。
事業を通じて地域に貢献できたことが嬉しかったのはもちろん、それまで当社でやったことがなかった「個人宅への荷物配送」というモデルが確立できたのも良かったと思います。
困っていることや課題はありますか?
当社は物流だけでなく人材派遣などの営業も行っていますので、例えば物流と人材関連の営業スタッフが協働する、ということがもっとあっていいのではないかと思います。
お互いの顧客を紹介し合うとか、合同で一つのプロジェクトを動かすとか。そういった動きを起こすには、私自身が新たなスキルやノウハウを勉強しないといけないと感じています。
生活面での変化はありましたか?
10年ぶりに栃木に帰ってきましたが、改めて良さを実感しています。生まれ育った町なのでいろんな思い出がありますし、自然も豊かで、ゆったりした心で過ごせていますね。
趣味で登山をやっているのですが、栃木に帰ってきていろいろな山に登るようになりました。一度よそで暮らしてみたからこそ、改めて地元の魅力に気づくのかもしれません。
また、お客さまの勧めもあってゴルフも始めました。始める時には皆さんが道具を譲ってくれて、練習から本番まで付き合ってくださいました。仕事だけでなく、プライベートでも多くの方々に助けていただいており、日々感謝しながら過ごしています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
自分のやりたいことを、本当に大事にしてほしいと思います。私の場合、「経験はないけれども営業をやりたい」という気持ちがずっとありました。今の会社に入り、物流の営業担当としてたくさんの出会いに恵まれ、今の会社に転職して良かったと心から思えています。
キャリアアップというのは、単に役職が上がったり、大手企業に転職したりすることだけではなく、「自分のやりたいことができるかどうか」ではないでしょうか。
「自分が譲れないもの」「自分が大事にしているものは何か」を明確にして、転職活動してください。経験がなくても気持ちがあればチャレンジはできるし、チャレンジすれば、良い転職先がきっと見つかります。