2022.03.23
完成が楽しみ!芳賀・宇都宮LRTの基本情報
こんにちは。リージョナルキャリア栃木スタッフです。
突然ですが、「LRT」と呼ばれる交通システムをご存じですか?
宇都宮市民、もしくは、栃木県民であれば「LRT」という単語を一度は見たり聞いたりした事があると思います。栃木県にお住まいではなくても、縁のある方であればご存知かもしれません。現に私も、「宇都宮駅東口に路面電車が走る?」程度の非常に曖昧な知識しかありません。
しかし、宇都宮市に住み、宇都宮で働いているのに「よくわからない」では勿体ない!と思いましたので、今回から複数回に渡りLRTの基本情報や開通後の変化など、ありとあらゆる情報を調べ、まとめたものを投稿していきたいと思います。
初回となる今回は、「LRTの特徴」や「そもそもなぜ宇都宮に?」といった基本的な情報をまとめていきます。
LRTとは?
LRTとは、Light Rail Transitの略で、低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する軌道系交通システムのことです。
近年、道路交通を補完し、人と環境にやさしい公共交通として再評価されています。
「新型路面電車」や「スーパートラム」等の名称で呼ばれる事もある、このLRT。宇都宮市では現在、当初予定から1年遅れの2023年3月の開業を目指して、整備を進めています。
下にある画像が、実際に芳賀・宇都宮LRTで走る車体です。このLRTの愛称は、宇都宮が雷が多い街であるということから「雷都」、LRTの頭文字(Light)、そこに路線を意味するLINEを掛け合わせて「ライトライン(未来への光の道筋)」に決定したようです。名前に込められたメッセージが素敵です!
(画像引用:宇都宮ライトレール株式会社HP[最終閲覧日:2022年3月23日]
LRTの特徴
道路上の線路を走る姿はまさに路面電車というイメージですが、LRTならではの特徴がいくつかあります。今回はその中でも3つご紹介します。
ユニバーサルデザイン
停留場にはスロープが設置され、また停留所と車両の間に段差がないため高齢者、車いす、ベビーカーをお持ちの方でも負担なく乗降ができます。また、バスなどの公共交通機関と比べて振動や騒音が少ないのも特徴で、身体への負担も軽減されます。
地域社会への貢献
車社会の発展によって公共交通機関の利用者は減少しており、車を運転できない人の移動手段の確保が難しくなっています。宇都宮市は、2030年には市民の約3割が60歳以上となると推測しています。「地方=車が無いと生活できない」というイメージもありますが、LRTが開通することで車を持っていなくてもより暮らしやすい環境が整います。
また、LRTは基本的に専用レールを走るため、渋滞などの影響を受けにくく、正確な時刻での運行が可能となります。朝夕の渋滞が激しい宇都宮市街に、時間に正確な新しい交通機関が出来ると思うと、個人的には嬉しい、わくわくするといった感覚がありますが、皆さんはいかがでしょうか?
交通利便性の向上
計画ではLRTの主要停留所5か所に「トランジットセンター」を設置予定です。これは、自転車やバス、送迎に来た自家用車などとの乗り換えができる場所のことで、下の画像がそのイメージです。
トランジットセンターは宇都宮駅東口を始め、ベルモール前、清原管理センター前(清原工業団地)、管理センター前(芳賀工業団地)などに整備予定です。ICカードの利用も出来ますのでスムーズな乗降が可能です。
(画像引用:「乗り換え施設で交通をつなぐ」宇都宮市HP[最終閲覧日:2022年3月23日]
LRT導入後の宇都宮はどう変わる?
ここまでLRTの特徴をお伝えしましたが、そもそもなぜ宇都宮にLRTが整備される事になったのでしょうか。
遡ると2016年(調査などの準備期間を含めるともっと以前から始まっていました)、宇都宮市と芳賀町が軌道整備事業者、宇都宮ライトレール株式会社が軌道運送事業者として提出した「軌道運送高度化実施計画」が国土交通大臣に認定され、軌道事業実施の特許を取得。ここから着工に向けた具体的な動きが加速していきました。
LRT敷設の目的は交通渋滞の緩和のため、と思われがちですが、それだけではないようです。
前述した通り、過度な車依存の社会から脱却し、公共交通機関と車のバランスの取れたネットワーク型コンパクトシティを目指す事を目的としています。下の画像のように各拠点をLRTやバスなどの公共交通機関を中心にネットワークを繋げていくイメージです。
(画像引用:「うつのみやのまちづくりとSDGs」宇都宮市HP[最終閲覧日:2022年3月23日]
宇都宮市は、LRTによって新たに整備される交通網を、下の図にあるように魚の骨格に例え、「背骨という大きな部分を時間通り動くLRT(一部路線バスを含む)が担い、その他の骨をバスや地域内交通などが担う」
としています。
こうして南北は鉄道、東西はLRT、加えてバスやタクシーなどの地域内交通の再整備により隅々まで交通経路が確保されることで、移動手段に困っていた方も外出する機会が増えることが見込まれます。その結果、経済の停滞を防ぐこともでき、より元気な宇都宮になっていくのです。
また、LRTそのものが街のシンボルとして認知されると、それだけで観光客数の増加に繋がり、更に活気あふれる街に生まれ変わっていくことが期待されます。
(画像引用:「バスじゃダメなの?」宇都宮市HP[最終閲覧日:2022年3月23日]
まとめ
以上、今回はLRTの特徴やなぜ芳賀・宇都宮にLRTを整備するのか、といった基本的な情報をまとめてみました。
個人的には、LRTの開通によって宇都宮市がどう変わっていくのか、楽しみで仕方ありません!
次回は、整備状況はどうなっているか、という現地調査や、どのような場所からどのように利用できるかなど、より具体的な情報をまとめたいと思いますので、是非またご覧ください!
▼さらに詳しく知りたい方はこちら「芳賀・宇都宮LRT 公式ホームページ」