2022.12.20
労働市場データから見る│栃木の転職マーケット考察
こんにちは。リージョナルキャリア栃木のコンサルタント、鎌田です。
今年もあっという間に年末がやってきました。
新型コロナウイルスの影響で日常生活が大きく変化しだしてから間もなく3年がたとうとしていますが、最近は全国旅行支援制度を活用して旅行に出かける機会が増えたり、職場では久々に懇親会(飲み会)が開催されたりと、日常生活にも以前のリアルな活気が感じられるようになってきました。
さて今回は、11月末に公表された最新(2022年10月度)の労働市場関係のレポートをもとに、この3年で栃木の労働市場がどのように変化しているのか、いくつかのデータを出しましたので、共有させていただきます。
新規求人数の動向
昨年や一昨年と比較すると、新規求人は増えてきているのでしょうか。
2020年以降の新規求人の件数を時系列で見てみると、ジグザクと上下しているものの、緩やかに上昇していることがわかります。
※参照:厚生労働省 一般職業紹介状況「都道府県(受理地)別 正社員労働市場関係指標(実数)」2022年10月(最終閲覧日2022年12月20日)
単月で見ると、最新の10月は前月よりも1割程度求人数が減少していますが、同じデータを12か月ごとに3年分重ねてみるとご覧の通りとなり、ほぼすべての月で、一昨年→前年→今年と新規求人数が増えています。
※参照:厚生労働省 一般職業紹介状況「都道府県(受理地)別 正社員労働市場関係指標(実数)」2022年10月(最終閲覧日2022年12月20日)
話は変わりますが、転職希望者の方から「1年の中で求人数が増えるのはどの時期ですか?」と聞かれることがよくありますが、上記のデータからはその特徴も見て取れます。
期末月となる3月と9月、そして賞与時期が関係すると思われる6月に新規求人が増えています。
産業別の新規求人の動向
産業別のデータは具体的なものを見つけることはできませんでしたが、栃木労働局発行の「労働市場のようす(令和4年10月分)」に以下のコメントがありました。
こちらはこのまま転載させていただきます。
〈建設業〉
前年同月比4.0 %減少。2ヵ月ぶりに前年比減少。
工場の新築や増築工事、太陽光発電の施工工事の受注増加に伴う求人などが見られている。人員不足により受注 を断る事業所がみられるなど、慢性的な人手不足の状況が続いている。
〈製造業〉
前年同月比12.0%増加。20ヵ月連続して前年比増加。
国内外での需要増加を受けた半導体製造装置の製造会社からの求人や、日本製品の海外需要が好調な事務用品製造会社からの増員求人がみられた。また、アミューズメント機器の受注増加に伴う組立工求人や、カメラレンズの組立工求人などが提出されている。その他、時間外労働時間を削減するための増員求人や、従業員の高齢化を見据えた求人なども見られた。
〈卸売業、小売業〉
前年同月比5.5%減少。3ヵ月ぶりに前年比減少。
全国旅行支援などによる行楽需要により、衣料品や食料品などの売上げが好調となったスーパーやテナントなどからの求人増加が見られた。
県内において事業を展開する事業所からの求人提出時期の影響により求人数は減少した。
〈宿泊業、飲食サービス業〉
前年同月比32.5%増加。2ヵ月連続して前年比増加。
宿泊業は前年同月比3.3%の増加。全国旅行支援による宿泊客の増加や、円安の影響も受けたインバウンドの増加など、引き続きホテル、旅館などからの求人に増加がみられた。年末年始の繁忙期までに期間を限定した求人も提出されている。飲食サービス業は前年同月比45.2%の増加。観光客の増加や地域クーポンの活用などもあり、少人数の利用客など集客数が増加している飲食店からの求人が見られた。県内外での新店舗オープンに伴う求人も複数みられている。
〈生活関連サービス業、娯楽業〉
前年同月比12.2%増加。7ヵ月連続して前年比増加。
集客が好調なゴルフ場、旅行客が増加しているホテルからの受注を受けるリネン業者、イベントの開催や全国旅行 支援を利用する利用客増加を見込んだレジャー施設などからの求人が複数提出されている。パートや繁忙期間限定 の募集を中心に行っていたが、集客数の増加が見込まれるようになってきたため、フルタイムでの募集を追加する施設などもみられた。
〈医療、福祉〉
前年同月比2.9%増加。3ヵ月連続して前年比増加。
施設拡大に向けた求人や、介護職や看護職、保育士など人手不足に伴う求人が提出されている。コロナやインフルエンザの予防接種が多忙なことに加え、冬期は患者が増加傾向となるために増員する医療機関などもみられた。
※情報引用:栃木労働局「労働市場のようす(令和4年10月分)」2022年11月29日発表(最終閲覧日2022年12月20日)
エリア別新規求人数、新規求人倍率動向
県内エリア別に特徴があるのかどうか見てみたいと思い、こちらのデータも見てみました。「県北:県央:県南」の新規求人の比率は、ざっくりですが「1:3:2」といったところでしょうか。
各エリアの新規求人倍率(新規求人/新規求職者)の2019~2022年10月時点の数値を見てみると概ね2019年(コロナ前)の倍率と同程度以上の数値に戻ってきています。
※参照:厚生労働省 一般職業紹介状況「都道府県(受理地)別 正社員労働市場関係指標(実数)」2022年10月(最終閲覧日2022年12月20日)
県外からの転職者動向
最後に、他県から栃木県に転職している人がどの程度いるのかの参考になりそうなデータを見てみましょう。
充足数とは「有効求人が求職者と結合した件数」のことで、県外の職業安定所に求職登録をされた方が、県内の職業安定所に登録された求人に決まった数で、データは、各年度の月平均の数値です。
「この数年で地方(栃木)に転職者する人は増えたのだろうか(増えているのではないか)」という興味から見てみましたが、県外からの比率は11%台で大きく変わるものではありませんでした。
※参照:厚生労働省 一般職業紹介状況「都道府県(受理地)別 充足数、他県、管外からの充足数(実数)」2022年10月(最終閲覧日2022年12月20日)
参考までに、弊社の転職実績を見てみると、2022年のU・Iターン転職比率は24.2%でした。
いかがでしたか。円安や物価高など先行き不透明な要素もありますが、この3年を振り返ってみると、転職マーケットはコロナ前の水準もしくはそれ以上の水準に戻ってきていると言えるのではないでしょうか。
年末・年始にかけては「この先どこで暮らして、どんな仕事どんな生活をしたいのか」考える機会も増えてくると思います。
弊社では、2週間ごとに「転職相談会(オンライン個別面談)」も開催しておりますので、よろしければこちらものぞいてみてください。
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