地域情報ブログ

レジャー2023.05.18

【神秘の巨大地下空間】大谷資料館訪問記

こんにちは。リージョナルキャリア栃木のコンサルタント、鎌田です。

先日、かねてより一度訪れたいと思っていた大谷資料館を訪問してまいりました。

大谷資料館は、石材である大谷石(おおやいし)の採掘場跡地を博物館として公開している施設で、近代産業が生み出した石の採掘場が、今はコンサート会場や映画などの撮影場所に使われるような幻想的な空間になっています。海外旅行好きの私にはヨーロッパの古い教会やお城を思い起させるような場所でした。

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▲地下30mに広がる神秘の巨大空間、大谷資料館

大谷資料館の概要

宇都宮市西部にある大谷地区の石は、軟石で加工がしやすいことから建物や石塀などに用いられてきました。大谷石は約1,400年前の古墳時代に石室として利用されたのが始まりですが、採掘場の歴史はそれほど古いものではありません。

この地下坑内の採掘がはじまったのは1919年、大正時代のことでした。広さは2万平方メートル、深さ約30メートルと、野球場が一つ入るほどの空間になっています。

1979年より近代産業遺産として博物館として一般公開されるようになりました。

1900年代に入ってからの本格的な採掘ということですので、明治時代以降に西洋文化の影響で石造りの建物が多く作られるようになって需要が増していったのでしょうか。

大谷石の建築物の中でももっとも有名なものが、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトにより大正時代に設計された旧帝国ホテル本館だそうです(1968年に取り壊され現在は愛知県犬山市の明治村に一部が移築されています)。

明治村公式サイト:帝国ホテル中央玄関|博物館明治村(最終閲覧日:2023年5月18日)

行き方

宇都宮駅から路線バスを利用しました。乗車して30分ほど、大谷地区に入ると白っぽい石が切り立った地形があちこちに見られます。

「大谷資料館入口」のバス停を降りるとすぐそばに資料館の案内表示があり、迷うことなく行けそうです。

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案内にしたがって駐車場を抜けて進むと、5分程度で資料館に到着です。

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受付で入場料800円を支払い、さっそく中に入ります。階段を下りていくと、眼下に大きな空間が広がっています。

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中のようす

内部は全体が大きな空間になっているのではなく、いくつかの部屋(ホール)に分かれており、奥に続いていきます。

崩落を防ぐために、柱を残している構造になっていると思われますが、それゆえに、歩き進めながら奥の部屋には何があるのかと宮殿を想起させるようなワクワク感があります。

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照明が効果的に配置され、異空間のムードを盛り上げています。

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石を切り出していた痕跡にもライトが当たり、芸術的な装いとなっています。

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ところどころにオブジェが配置され、美術館のような雰囲気も。

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この施設は、映画やCMなどの撮影場所としても多く活用されてきたそうです。映画では「セーラー服と機関銃」「るろうに剣心」など、アーティストのプロモーションビデオでは東京事変や三代目 J Soul Brothersなどの撮影実績もあります。

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この場所には「ENYAさんが歌った柱がみえます」との案内がありました。(日本の音楽番組でここから歌ったことがあるそうです)

さらには、スイスの高級時計OMEGA社の新作発表レセプションや、ドイツの高級車BMWの試乗会、有名シャンパンのお披露目イベントなどが開催された実績がありました。

ヨーロッパの教会か古城を思い起こさせるような佇まいの上、音響効果もよさそうです。

当時の写真が展示されていました。こちらはOMEGA社のレセプション。まるで宮殿ですね!

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BMW社のレセプションの様子。石の運搬用の出口がありますので、車の搬入も可能だそうです。

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1998年、高級シャンパン「ドンペリニョン」のイベント。

その時のシャンパンも展示されています。坑内は年間を通じて平均気温が7度ですので、ワインもしっかり熟成されているかもしれません。

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写真が展示されているこの場所がイベント会場だったと思われます。

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坑内にはところどころに外への通用口もあります。

下記の写真の中央に見える光の向こうが外です。通路は車が対向で走れるくらいの広さで、手前から外に向けて緩やかな上り坂となっています。切った石をトロッコなどで運ぶための通路だったのでしょう。

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一通りまわって、入ってきた階段のところまで戻ってきました。

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階段にはこんなメッセージもありました。

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採掘場もうひとつの歴史

現実の世界に引き戻されて受付のフロアに戻ってきました。

展示室をのぞいてみると、手彫りだった時代、機械化された時代の作業の様子や当時の道具などが展示されていました。

その他に、太平洋戦争中に軍需工場として使用されていた様子も展示されています。

当時、激しい爆撃から逃れるために工場の疎開が行われていました。この大谷地下工場では飛行機が生産され、15,000人が勤務していたと言われているそうです。

米軍機からも見つけにくい地下、しかも野球場が丸ごと入ってしまうくらいの空間がありますので、戦時中であれば、そのような利用がされたのも必然かもしれません。

米軍も戦時中はこの地下工場には気づかず、後にその規模の大きさに驚いたそうです。

おまけ

資料館を後にして駐車場の横を歩いていたら、山のこんな姿も発見しました。

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いかがでしたか?これから訪れる栃木の暑い夏には、お勧めの観光スポットです。

映画やドラマ好きの方であれば、お気に入りの映画やPVに、この場所が登場しているシーンもあるかもしれず、さらにいろいろな楽しみ方があるかもしれませんね。

大谷資料館のホームページには映画やPVなどの撮影実績の一覧の情報が掲載されています。

ご興味がありましたら是非ホームページも覗いてみてください。

■大谷資料館HP

http://www.oya909.co.jp/


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