採用が経営を変えた瞬間

企業TOPインタビュー

栃木を代表する企業の経営TOPに、事業ビジョンと期待する人材像についてお聞きしました。

寿司のさらなる進化を追求し、国内200・海外250店を実現する。

元気寿司株式会社
代表取締役社長 法師人 尚史

更新日:2022年3月09日

1968年生まれ。栃木県出身。栃木県立益子高等学校(現:栃木県立益子芳星高等学校)を卒業後、1987年、元禄株式会社(現:元気寿司株式会社)に入社。店舗スタッフからスタートし、店長、エリア統括マネージャーなどを歴任。1990年代から始まった元気寿司の海外展開や2002年の東証一部上場など、会社の発展を間近に実感しながら業務にまい進してきた。2008年に取締役、2011年に取締役常務執行役員に就任。2013年から代表取締役社長として、同社の経営を担う。
※所属・役職等は取材時点のものとなります。

競争激化という時代背景の中から生まれた「回転しないお寿司」

回転寿司店事業を推進する当社は国内169、海外はフランチャイズや子会社直営などを合わせ204店舗を展開(2021年9月時点)しています。当社には3つの業態があります。1つめは創業の業態でもある、地域密着型の回転寿司「元気寿司」、2つめはリーズナブルな価格はそのままに、作りたてをスピーディーに届けることに注力した郊外型の回転しないお寿司「魚べい」、そして素材を極めた高級回転寿司「千両」です。現在中核となっているのは、回転しない「魚べい」になります。

1968年の創業からしばらくは、店舗を出せば出すほどお客様に来ていただける時代が続いていました。1986年入社の私は、会社の発展をまさに肌で感じてきた世代です。そんな中で、私自身も成長できたように思います。しかしその後、競争が激化します。業界大手企業の店舗拡大が進み、関東や関西などの大きな市場でしのぎを削り合うようになりました。これに飲み込まれ、当社も苦戦を強いられる状況が増えてきました。私が取締役に就任したのは、そういった厳しい時代です。同じフィールドで競争していては厳しい。競合と明確に差別化できる新たなブランドが必要ではないか…と考え、社内プロジェクトで議論する中で生まれたのが「魚べい」ブランドだったのです。

全オーダーにすれば、できたてを素早く届けられる

回転寿司の場合、レーンを回る寿司を全てお客様が手にとってくれるわけではありません。時間が経って劣化した寿司は廃棄されます。調べてみると、総売上のうち、回転レーンから選ばれた商品が占める割合はわずか15%に過ぎず、85%がテーブルからのオーダーによるものでした。私たちは、わずか15%のためにせっせと寿司を作ってレーンに流し、廃棄してしまっていたわけです。

寿司の命は鮮度です。レーンを1時間回っていたからといって食べられないわけではないけれど、できたてに比べれば味は落ちます。であればいっそのこと、全部オーダーにしてみたらどうだろうと思いつきました。早速、試験的にオーダーのみの営業をしてみると、店は満席。厨房も全く問題なく回っています。できたてをスピーディーに届けるという手法はお客様のニーズに合っている。そう確信するに至り、「魚べい」の本格的な展開が始まりました。

「魚べい」はまだ完成していない、進化途上のブランド

「魚べい」誕生から10年近く経過していますが、いまだに「魚べい」というブランドは完成していない、進化の途上にあると感じています。「魚べい」の一番の特徴であり、競合他店と明確に差別化できるポイントは「できたて」です。それは、この店舗を開発してからずっと変わらないのですが、「できたて」をどこまで追求するかという点については、努力の余地が残っていると思っています。

例えば、今気になっているのは「温度」です。ステーキだと、できたて熱々はジュージューと音をあげ、いかにも食欲をそそります。一方で寿司の場合、温度は「できたて」と結びつかないだろう…とみんな思っています。しかし、そこに疑問を抱いた出来事がありました。私はロサンゼルスに行った時、揚げたての海老天に熱々のシャリを巻いたハンドロールを食べました。これがもう最高においしかったのです。寿司でも温度で「できたてのおいしさ」が表現できるじゃないか、と感じました。「魚べい」が進化する可能性は、例えばこういったところに眠っているのではないかと思います。それをもっと突き詰めないといけません。今や、それなりの規模の街に行けば必ず競合大手の店があります。そんな中、私たちが新たに進出し、お客様に評価していただこうと思えば、今までになかった価値を届けるしかありません。そのためにも私たちは、もっと進化しなければいけないのです。

新業態開発にも着手。海外展開もさらに注力する

新たな店舗の開発にも力を入れています。その第一歩として、天ぷら専門店を立ち上げました。天ぷらは、できたてをスピーディーにお届けすることが重要という点で、「魚べい」と通じるものがあります。加えて天ぷら専門店は、小規模で出店できます。郊外型の「魚べい」だと500~600坪が必要で、用地取得にも店舗建設にも大きなコストがかかります。その点、天ぷらは小型なので、駅前や商店街などの好立地に出店可能です。新たな商圏のカバーが期待できます。

一方、海外出店は既に200店を超えています。これは競合他社と比較してもダントツの数字です。エリア的には、中国・香港・シンガポール・タイ・マレーシアと広がっており、インドネシア・フィリピンにも進出する予定です。今後はベトナムや台湾など手つかずの国にも積極的に取り組もうと考えています。アジアの店舗はフランチャイズなので、各地で信頼のおけるFCパートナーと手を組むことが重要になってきます。また北米では、ハワイ・シアトル・ロサンゼルスに出店しています。こちらは米国子会社の直営として出店を進めています。将来的な目標は、国内500店舗です。しかし一足飛びにではなく、200を一つの通過点としています。これと同じタイミングで、海外店舗も250に持っていきたいと思っています。これらは2022年までに達成したい目標です。

社員のチャレンジ意欲は大歓迎。それが事業発展の原動力になる

私は高卒で入社し、会社がどんどん大きくなるのを実感しながら仕事をしてきました。店長からエリアマネージャー、そして経営陣の一員となった私自身の成長は、会社の発展とぴったり足並みを揃えています。社員にもぜひ、自己成長と会社の成長が重なり合うダイナミズムを味わってほしいと思います。会社というのは、社員一人ひとりが集まって形成される組織体です。社員の成長なくして、会社の成長はあり得ません。

そういう意味で、自己成長を目指しチャレンジする姿勢は大歓迎です。そもそもやっている当人には、チャレンジというより、目標を成し遂げようと「楽しむ」感覚の方が強いのではないでしょうか。楽しいからこそ続けられるし、高い壁も乗り越えられる。そんな意識を大事にしてほしいと思います。会社として、社員が成長できる環境を作らないといけない、とも感じます。会社が成長できる状態になければ、意欲の発揮しようがありません。会社が発展する中で、社員も成長する。社員の成長が、事業を大きくする原動力となる。そんないい相乗効果を生み出すためにも、事業発展と成長できる環境の整備は、経営者である私の使命だと感じます。

中途人材は、新たな視点や価値をもたらしてくれる存在

数年前までは「まずは店長を経験しないとダメ」という方針がありましたが、いまは異なります。店長には不向きだけど、商品開発にはものすごい力を発揮する社員もいる。経理を任せると万全に業務をこなす者もいる。仕事の領域によって、求められる能力は異なるのが当然です。そこで、特に中途採用においては、「まず店長」という考え方をやめています。異なる業界・環境で培った知識や経験で当社を見て、新しい風を吹き込んでくれればいい。この業界にどっぷりつかっている私たちには見えていない景色や価値を教えてほしい。中途採用はそのための有効な方法だととらえています。

私はもう20年くらい本社勤務ですが、20年前と今では、経営陣も部課長クラスの顔ぶれも、ずいぶん変わりました。当時はほとんどプロパーでしたが、今では中途採用の方が多くなっています。それだけ当社が、強靭な組織になったということです。経営企画、商品開発、店舗開発や海外展開など様々な面で、私たちになかったノウハウや視点を、中途人材がもたらしてくれました。多くの有為な人材が集まったおかげで、楽しみな未来が描ける会社になりました。私の指示がなくても、みんな自律的に動いてくれています。力を合わせ、目標を一つひとつ成し遂げていきたいと思っています。

他社に先駆けて「値段ごとに色の違うお皿」「回転しないお寿司」といった取り組みを行ってきた同社ですが、法師人社長がいま注目しているのは寿司の「温度」です。競争が激しい業界だからこそ常に情報のアンテナを立て、チャレンジを続けていくという強い思いを感じました。また私が驚いたのは1990年代から海外展開に着手し、海外店舗数は業界トップだということです。これからも回転寿司業界をリードしていくであろう元気寿司株式会社を応援していきたいと思います。

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