明電産業株式会社
細井武男さん(仮名・総務) 44歳
「転勤で家族に負担をかけたくない」と転職を決意。栃木で、希望する人事の仕事に出会えた。
人材派遣会社に勤務していた細井さんが転職を考えるようになったのは40歳を迎えた頃。単身赴任生活が続き、「このまま家族に負担を強いる働き方を続けてもいいの・・・.」と疑問を感じるようになった。
当初は「40歳を過ぎた自分に、思い通りの転職は厳しいのでは?」といった不安を抱いていた。しかし、活動を進めるうちに「自分が知らないだけで、栃木には自分のスキルを存分に活かせる、将来有望な会社がたくさんある」と気づいたという。
現在は地元・栃木県の専門商社の総務部に所属し、「毎日会社に来るのが楽しい」と笑顔で話す細井さんに、転職の経緯や転職後の生活についてうかがった。
(※本記事の内容は、2021年12月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで89日間
転職前
- 業種
- 人材派遣業
- 職種
- 営業マネージャー
- 業務内容
- 営業/スタッフの労務管理等のマネジメント業務
転職後
- 業種
- 電設資材商社
- 職種
- 総務
- 業務内容
- 総務/人材採用・教育業務
40代を迎え、家族と離れて暮らすことを前提とした働き方に、疑問が湧いてきた。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
照明器具や空調設備などに使われる電設資材をメインに取り扱う明電産業株式会社の総務部で働いています。総務の仕事に加え、新卒・中途の人材採用・教育も担当しています。今の仕事のウエイトは、採用・教育の方が大きいですね。
総務は他部署との接点が多く、さまざまな情報が入ってくる部署なので、会社にとって有益な情報提供ができるように心掛けながら仕事に取り組んでいます。入社時の役職は主任でしたが、現在は課長としてメンバーをマネジメントしています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学卒業後、家族が経営する食品メーカーで5年ほど働きましたが、「外に出て視野を広げたい」と思うようになり、人材業界に飛びこみました。その会社で営業職として、派遣スタッフの採用や派遣先企業とのマッチング、スタッフのフォローなどを行いました。
その後、IT関連や機械設計といった業界への技術者派遣を担当。神奈川・大阪・埼玉などへの転勤も経験しました。
転職のきっかけは?
前職が全国展開の会社で、転勤が多くありました。一番遠かった大阪のときは、月1回栃木に帰れるかどうかという状態。私も40歳を過ぎ、今後のキャリアをあらためて見つめ直した時、「家族と離れて暮らすことを前提にした働き方はどうなのだろう・・・」と疑問を抱くようになりました。単身赴任で家を空けることが多く、多感な時期の子どもの世話を、共働きの妻一人に任せっきりでしたからね。
ただ、人材業界で働いていただけに、40代の転職の難しさは十分理解していたので、ずいぶん悩みました。しかし、今のままではまた転勤でどこに行くかわからない。家族にこれ以上負担をかけたくないと思い、転職に踏み切ることにしました。
転職活動はどのように進めましたか?
前職で培った労務管理や労基法関連の知識を生かしつつ、人材育成やキャリアデザインの仕事ができればと思い、いくつかの紹介会社に登録しました。送られてくる求人数は予想していたよりも多かったのですが、勤務地が栃木県外だったり、転勤があったり、仕事内容があわなかったりと、「コレだ!」と思える仕事にはなかなか出会えませんでした。
そうしたなか、Webで知ったのがリージョナルキャリア栃木(運営会社:リージョンズ株式会社)です。栃木に特化した紹介会社なら他社が持っていない情報が期待できるかもしれないと考え、エントリーしました。「経験を活かし、採用など人事系の仕事がしたい。特に育成に関わっていきたい」という私の要望を、しっかり汲んでくれました。
今の会社に決めたポイントは?
面接で社長に会った際、そのパワフルさに圧倒されました。これまでやり遂げてきたことを踏まえながら次に進もうという力強さがあり、こういった会社が伸びていくのだろうと感じたことが大きかったですね。
前職で多くの経営者とお会いしましたが、当社の毛塚社長はどのタイプとも違っていて、「ぜひ一緒に仕事がしてみたい」と感じました。
人材採用・教育を通じて、会社の成長に貢献できているという実感がある。
転職していかがですか?
「こうしてはどうか?」といった意見やアイデアも積極に取り入れてもらえるので、とても良い環境だと思います。例えば、従来の新入社員研修はOJTが中心だったため、ブラザー・シスター制度を提案し、すぐに導入できました。
また、専門性を高めるため、資格取得を支援する体制の整備にも取り組んでいます。提案を前向きにとらえてくれるので、「もっと会社の役に立ちたい」という気持ちがどんどん強くなってきました。どうすれば会社の成長に貢献できるかを考え、実行に移せる環境があります。
転職して良かったと思うことは?
73年の歴史を持つ明電産業は、これから創業80年、100年を視野に事業を展開しています。それに向けて、今の自分にできることを精いっぱいやっていきたい。迷いなく、純粋にそう思える仕事に出会えたことが本当にうれしいですね。
今は社長のパワーが原動力になっていますが、会社が成長するには「組織の強さ」が必要になる時が来る。そこに関われるのが、嬉しくて仕方ないですね。毎日会社に来るのが楽しいと感じられています。
困っていることや課題はありますか?
採用活動も少しずつ以前のやり方を変え、説明会や面接などにいろいろな部署の方に参加・同席してもらうようにしています。みなさん忙しい方ばかりなので、申し訳ないのは重々承知なのですが。
でも、学生からは「仕事の現場を知っている人から臨場感あふれる話が聞けるので面白い」と、とても好評です。現場のみなさんに協力してもらうことが採用にとっていかに重要か、私から社員に向け、もっと発信していかないといけないと思っています。
生活面の変化はありましたか?
残業がかなり減ったので、家族と過ごす時間が増えました。以前は一度も家族と夕食とったことがないほど帰宅が遅かったのですが、今では私が早く帰り、夕食を作って家族を待つこともあります。
休みの日にはサッカーチームの審判を手伝ったり、庭いじりをしたり。また、コロナ禍の今は自粛していますが、泊りがけのツーリングも楽しみの一つです。何より、家族の顔をいつも見ていられる、というのはいいですね。子どもとも、以前はあまり本音で語りあうことはなかったのですが、今は腹を割って話せているように思います。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
栃木で育ち、18年間人材業界で働いてきた私ですが、リージョナルキャリア栃木から紹介されるまで「明電産業」という会社を知りませんでした。でも、調べてみると歴史があり、伸びしろも大きい。そんな会社が、地元にあったのは驚きでした。
みなさんも知名度にとらわれず、広い視点で見渡してください。魅力的な会社が、身近なところにあるかもしれません。積極的に自分から情報を取りに行けば、可能性がさらに広がると思います。