2022.04.14
なぜ壬生町にコストコが!?出店条件から見る壬生町のポテンシャル
こんにちは。リージョナルキャリア栃木のコンサルタント、高山です。
2022年夏、栃木県下都賀郡壬生町に「コストコ壬生倉庫店」がオープンします。壬生町出身の私としてはなんとも嬉しいニュースです。
一方で気になるのは「なぜ壬生町なのか?」ということです。そこで今回は「コストコの出店条件から見る壬生町のポテンシャル」と題して、壬生町がコストコの誘致に成功した理由を探っていきます。
そもそも「コストコ」とは?
コストコホールセールコーポレーションは、アメリカ合衆国ワシントン州イサクアに本社を置くホールセールクラブ(会員制ディスカウントストア)です。
今回オープンする「壬生倉庫店」をはじめ、日本にあるコストコはコストコホールセールジャパン株式会社(千葉県木更津市)が運営しています。
倉庫型の大規模な店舗で、食品にケータリング用品、電化製品、スポーツ用品、アクセサリーなど、言ってしまえば「なんでも売っている」のが特徴です。
「壬生倉庫店」はどこにできる?
「壬生倉庫店」は、壬生町壬生丁と安塚にまたがる区画整理事業地にて、2022年夏のオープンに向けて着々と建設が進んでいます。北関東自動車道の壬生ICから約1.6㎞、2023年3月に供用開始予定の下野スマートICからも近く、利便性が高いエリアです。
細かすぎて壬生町に縁のある方にしか伝わらない言い方をすると、「睦小の東側」「アップルの西側」「カスミの向かい」です(笑)。
(画像出典:下野新聞 ※最終閲覧日:2022年4月14日)
コストコには出店条件がある
世界に817店舗(2021年9月23日現在)、日本では30店舗(2021年7月8日現在)を展開するコストコですが、実は出店に際して以下のような土地条件があるようです。
- ① 高所得層マーケット
- ② 半径10kmの人口が50万人以上
- ③ 企業が多い地域
- ④ 敷地面積10,000坪以上(ガスステーション用敷地を含む)
- ⑤ 建築面積約4,500坪
- ⑥ 用途地域=準工、商業、近隣商業(売り場面積1万㎡超)
- ⑦ 駐車場収容台数800台以上
- ⑧ 車のアクセスの良い物件
- ⑨ 購入・定期借地(40年以上)・建貸
※参考:コストコホールセールジャパン株式会社HP(最終閲覧日:2022年4月14日)
出店条件から見る壬生町のポテンシャル
上記9条件のうち、「① 高所得層マーケット」「③ 企業が多い地域」の2条件にフォーカスを当ててみます。
①「高所得層マーケット」
高品質な商品を低価格で購入することができるのがコストコの魅力のひとつですが、一方で、コストコには客単価を上げるマーケティング戦略があるようです(今回のテーマの本筋から逸れるため深掘りはしませんが...)。
このブログを読んでくださっている皆様のなかにも「これは安い!」「こんなものも売っているの!」と感動しながら、ついついいろいろとショッピングカートに入れてしまって、「気付いたらお会計が●万円...」なんて経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
「高所得層マーケット」というのは、そのようなマーケティング戦略に基づく出店条件なのかもしれません。
さて以下は、内閣府が公表している「県民経済計算」(2018年度)をもとに作成した、栃木県内の「1人当たり市町村民所得(※注1)」のランキング(※注2)です。
(※注1:「1人当たり市町村民所得」には企業所得等も含まれており、個人の所得水準を表すものではありません。)
(※注2:2023年8月8日に情報を更新しました。)
順位 | 市町村 | 人口1人あたり所得(円) |
1 | 芳賀町 | 5,038,000 |
2 | 市貝町 | 4,153,000 |
3 | 宇都宮市 | 3,833,000 |
4 | 栃木市 | 3,639,000 |
5 | 上三川町 | 3,634,000 |
6 | 大田原市 | 3,537,000 |
7 | 下野市 | 3,535,000 |
8 | 小山市 | 3,459,000 |
9 | 真岡市 | 3,391,000 |
10 | 鹿沼市 | 3,387,000 |
※参照:栃木県HP「令和2(2020)年度とちぎの県民経済計算(概要)
網掛けをしているのが壬生町と隣り合っている市町村で、これらだけでランキング10位中の6位を占めます(ちなみに壬生町自体は3,127,000円で17位)。
なお「栃木県」全体としても、「1人当たり県民所得」は3,479,000円で全国3位となっています(出典:内閣府「平成30(2018)年度県民経済計算について」)。
つまり、今回「壬生倉庫店」がオープンするエリアは、全国的に見ても「高所得層マーケット」といえるのです。
②「企業が多い地域」
この「企業が多い地域」というのもおそらく、「高所得層マーケット」と同様に、コストコのマーケティング戦略に基づく出店条件なのでしょう。またメーカーとの取引や、食品製造業や飲食業への供給がしやすい、というのもあるかもしれませんね。
以下は、壬生町に隣接する市町村の事業所総数と事業所従業者数一覧です。
市町村 | 事業所総数(所) | 事業所従業者総数(人) |
宇都宮市 | 21,906 | 241,408 |
栃木市 | 7,032 | 64,307 |
上三川町 | 1,091 | 17,057 |
下野市 | 2,108 | 22,497 |
小山市 | 6,810 | 78,365 |
鹿沼市 | 4,690 | 43,603 |
壬生町 | 1,556 | 15,833 |
7市町村合計 | 45,193 | 483,070 |
栃木県(合計) | 86,088 | 878,756 |
※参照:総務省「平成28年経済センサス‐活動調査」
栃木県には全25市町村が存在しますが、上記の7市町村だけで、事業所総数は52.4%、事業所従業者総数では54.9%を占めています。
今回「壬生倉庫店」がオープンするエリアは、すでに「企業が多い地域」であることに加えて、この「壬生倉庫店」自体も、コストコの「従業員の52%を正社員にする」というポリシーに基づいて400人程度の雇用を検討しているそうで、雇用創出が期待されています。
まとめ
コストコの出店条件を簡単に一言でまとめると「集客が見込めて」「広くて」「アクセスが良い」エリア、となります。
ちょっぴり謙遜して「なぜ壬生町にコストコが!?」という切り口で書き始めましたが、よくよく調べてみると、むしろ「なぜこれまで壬生町にコストコがなかったのか!?」ということになるのではないでしょうか。
栃木県へのU・Iターンをお考えの皆様、転居先の候補として、ポテンシャルを秘めた壬生町もぜひお考えになってみてください。
お役立ち情報
▼コンサルタントに直接相談をご希望の方はこちら
▼栃木の求人情報をお探しの方はこちら
▼転職支援サービスへのエントリーはこちら