2022.09.27
【栃木の日本酒】きき酒で食レポチャレンジしてみた
こんにちは。リージョナルキャリア栃木のコンサルタント、高山です。
私は食べることとお酒を飲むことが大好きです。大好きなのですが、いわゆる「貧乏舌」でもありまして、苦手なもの以外はだいたい「おいしい」と感じてしまいます(これはこれで幸せだと思っていますが)。私の周囲には舌が肥えた方が多く、一緒に食事をしていると、「このイチゴは甘味が強くてほのかな酸味もあっておいしいね!」といった秀逸な食レポが飛び出すのを、私はいつも「たしかに~」「わかる~」で反応するだけ...。
私ももっと表現力を上げたい! 語彙力を高めたい!と常々思っていることから、今回は食レポに挑戦してみました。レポートするのは「栃木の日本酒」です。貧乏舌の私なりのレポートとあわせて、各酒蔵の公式サイトや通販サイトから、模範解答もご紹介させていただきます。
そもそもなぜ「栃木の日本酒」を取り上げたか
栃木といえば水資源が豊富で、ゆえに日本酒造りが盛んです。古来より酒造りの最高責任者あるいは技術職人集団を「杜氏」と呼びますが、栃木では地元の若手蔵人が「下野杜氏」(しもつけとうじ)という集団を立ち上げ、彼らが造った日本酒が全国新酒鑑評会にて複数の金賞を受賞するなど、注目されています。
酒きき酒処「酒々楽」について
今回の食レポチャレンジを行うために伺ったのが、栃木県酒造組合「酒々楽」(ささら)が運営している酒きき酒処「酒々楽」です。
※筆者撮影
「酒々楽」は、栃木県内に30近くある酒造メーカーから2銘柄ずつ計56を集め、1杯100円で試飲できるというアンテナショップです。そう、吞兵衛にとっては天国のような場所なのです!
一方で、「我々の役割は飲み会前の『0次会』の場」「民業圧迫にならないように」と、営業時間を平日17:00~19:00に限定しているのもまた、いとをかしです。
お店に着いたら、まずはカウンターで10枚つづりのチケット(1000円)を購入します。テーブルには「試飲リスト」が置いてあり、その中から試してみたい日本酒の番号を紙に記入します。
※筆者撮影
それをカウンターで渡して...。
※筆者撮影
いざ食レポチャレンジ!
今回は「七水」「澤姫」「若駒」「姿」「旭興」の5銘柄を試飲しました。
①「七水」純米吟醸55 雄町
※筆者撮影
【蔵元】
虎屋本店(栃木県宇都宮市)
【説明】
使用米:雄町100%
精米歩合:55%
アルコール分:16.7度
日本酒度:+1.5
【受賞歴】
インターナショナル・ワイン・チャレンジ SAKE部門 純米吟醸の部 ゴールドメダル(2017年・2018年・2020年・2021年)ほか
【筆者レポ】
グレープフルーツのような風味。甘味が口に広がる。
【模範解答】
瑞々しい葡萄のような上品な甘い香り、ふくらみのある旨みとジューシーさを感じる味わい。後味はキレ×クリアさが特徴的な酒質。(※引用:地酒・日本ワイン専門店 さいとう酒店 オンラインショップ(最終閲覧日:2022年9月27日))
風味を果物に例えて表現したのは正解でした。それが口に広がったのを、私は「甘い」と感じたのですが、日本酒の「甘口」「辛口」の基準となる「日本酒度」でいえば、「+1.5」という数値は「やや辛口」に含まれます。日本酒を食レポするときには、「香り」と「味」をそれぞれ表現する必要があるのだ、ということをここで学びます。
②「澤姫」大吟醸 真・地酒宣言
※筆者撮影
【蔵元】
井上清吉商店(栃木県宇都宮市)
【説明】
使用米:ひとごこち100%
精米歩合:40%
アルコール分:17度
日本酒度:+3
【受賞歴】
インターナショナル・ワイン・チャレンジ SAKE部門 吟醸酒部門 最高賞「チャンピオン・サケ」(2022年)ほか
【筆者レポ】
華やかな香り。さらっとしていて飲みやすい。
【模範解答】
華やかな香りとキレの良さが共存する、世界で認められた澤姫の最高傑作。香り高い、やや辛口タイプのお酒です。(※引用:株式会社井上清吉商店 ホームページ(最終閲覧日:2022年9月27日))
→ 先ほどの反省を活かして、「香り」と「味」をそれぞれ表現してみました。香りについては模範解答と一言一句一致しました!
③「若駒」愛山90 無加圧採り 無濾過生原酒
※筆者撮影
【蔵元】
若駒酒造(栃木県小山市)
【説明】
使用米:愛山100%
精米歩合:90%
アルコール分:16.5度
【筆者レポ】
なめらかな口当たり。香りも味もお米感がある。
【模範解答】
低精米(90%精米)を感じさせないスマートな飲み口と清涼感のある風味が溶け合った綺麗な香味。透明感のある甘さ、洗練された酸、清々しい苦みのバランスによる瑞々しい果実感をお楽しみいただけます。(※引用:こだわりの日本酒専門店 尾崎酒店 オンラインショップ(最終閲覧日:2022年9月27日))
→ 「低精米」とは、お米をあまり削らずに造った日本酒のことをいいます。お米を削らないことで、旨味や複雑味が豊富になり、個性的な味わいが表現されるのが特徴です。私が感じた「お米感」はこの製法によるものだと思います。またこのお酒は「無濾過生原酒」、文字通り「濾過していない生の原酒」です。日本酒造りにおいて、(主に見た目の)きれいさを整えるための「濾過」という工程があります。「もろみ」(発酵中のどろどろの液体)を絞ったあとに「おり」(米や酵母などの小さな固形物)を取り除くためのものです。この工程を行わないことで、味は日本酒本来の旨みやコクを感じられ、見た目がうっすらとにごっているお酒ができあがります。そう、つまり日本酒を食レポするときには、「香り」と「味」、そして「見た目」も表現できるとよさそうです。
④「姿」純米大吟醸 無濾過生原酒
※筆者撮影
【蔵元】
飯沼銘醸(栃木県栃木市)
【説明】
使用米:山田錦100%
精米歩合:45%
アルコール分:17.2度
日本酒度:±0
【筆者レポ】
いい香り。ずっしりと重い感じ。おしゃれな味わい。
【模範解答】
華やかで芳醇ながら「姿」らしく上品な香りを感じます。品質の良さが極まった贅沢な純米大吟醸。口に含むとジューシーで透明感すら感じる、優雅な旨みをもったリッチなお酒。(※引用:日本酒と焼酎の専門店 リカーズマサミ オンラインショップ(最終閲覧日:2022年9月27日))
⑤「旭興」大吟醸
※筆者撮影
【蔵元】
渡邉酒造(栃木県大田原市)
【説明】
使用米:兵庫県産特A地区山田錦100%
精米歩合:37%
アルコール分:17度
日本酒度:+3
【受賞歴】
第103回 南部杜氏自醸清酒鑑評会 吟醸の部 首席
【筆者レポ】
きりっとした味わい。香りが鼻へ抜けていく。後味はすっきり。
【模範解答】
華やかな香りと旨味を残しつつも、後口は繊細で綺麗な酸により消えていきます。(※引用:淀川酒店 オンラインショップ(最終閲覧日:2022年9月27日))
ごちそうさまでした!
途中でコツをつかんで、後半は少しずつ上手に食レポができるようになってきました(よね?)。
ひとつだけ間違いないのは、栃木の日本酒はとにかく「おいしい」ということです。ちなみに、今回いただいた中では、私のお気に入りは「澤姫」と「姿」でした。今後、栃木の日本酒について尋ねられたときは、秀逸な食レポとともにおすすめしたいと思います。
最後になりますが、今回「酒々楽」で購入した10枚つづりのチケットには、使用期限がありません。今回は5銘柄を試飲するために6枚使用しましたので、残りは4枚。また近いうちにふらっと立ち寄ってみたいと思います。
お役立ち情報
▼コンサルタントに直接相談をご希望の方はこちら
▼栃木の求人情報をお探しの方はこちら
▼転職支援サービスへのエントリーはこちら